解答例:2017H29 事例参 第1問

2017H29 金属加工業
第1問
CNC木工加工機の生産販売を進めるために検討すべき生産管理上の課題とその対応策を140字以内で述べよ。

【趣旨】
新規事業であるCNC木工加工機の生産販売を進めるために必要な生産管理上の課題を把握し、解決する能力を問う問題である。

・TAC
専任担当制で作業者の連携経験が少ない中、今後は小物かつ大ロットが中心の機械加工班と、大型かつ多品種少量が中心の製缶板金班の連携が必要になるため、全体の計画立案および統制が課題となる。
対応策として、常務のIT技能を活用して生産管理のIT化を進め、生産指示を含めて一元管理する。
→生産管理のIT化による一元管理
課題:計画立案および生産統制
対応策:常務主導による生産管理のIT化を進めて一元管理する

・大原
生産管理上の課題は、品質と納期の安定化である。対策方法は、①CNC木工加工機の最終検査方法を確立し、複数の作業者がこの検査が実施できるように教育訓練を行うこと、②製造部において生産計画を立案し、生産統制を実施するとともに、外部調達先と連携して納期の管理を徹底することである。
→品質と納期の安定化
課題:品質と納期の安定化
対応策:最終検査方法の確立と生産統制

・AAS関西
生産管理上の課題は、最終製品を見込生産するための工程管理を構築すること。対応策は、①設計担当者が部品加工、組み立て、最終検査までの生産計画を作成して製造部に生産指示を行う、②製造部が生産計画に基づいた材料や部品調達などの現品管理、CNC制御装置を含めた組み立ての進度管理を行うこと。
→工程管理を構築
課題:見込生産体制構築のための工程管理
対応策:材料調達から検査・納品までの生産統制

・AAS東京
課題は、組織的な生産管理体制を構築することである。対応策は、①生産管理担当者を設け、内部部品加工、鋼板加工、本体塗装、CNC制御装置を含めた組み立て、の各工程を統合した生産計画を立て、②生産管理担当者が生産計画に基づく生産指示や進捗管理等の生産統制を行い、納期を管理すること、である。
→組織的な生産管理体制の構築
課題:組織的な生産管理体制の構築
対応策:各工程を統合した生産計画立案と生産統制

・AAS名古屋
課題は、最終製品製造のための生産体制の構築である。対応策は、①部品加工から最終検査まで製品製造に関する一貫した生産計画を策定し、工程管理責任者の設置により工程全体の進捗管理を行う事、②製造部内での作業者間の連携を深め適切な負荷配分を行うことで工程間負荷の平準化を図ること、である。
→一貫生産体制の構築
課題:最終製品の生産体制構築
対応策:一貫した生産計画の策定と進捗管理、負荷配分の平準化


・LEC
課題は、生産量増加に対応するため最終組立工程や納期を重視した生産体制構築と生産統制の強化である。対応策は、①生産計画及び販売計画に対応して必要部品を生産・調達する、②生産工程全体の作業進捗、設備・人員負荷、外注負荷等を一元的に管理する、③製造部内の連携体制を構築する、ことである。
→生産体制構築と生産統制強化
課題:生産体制構築と生産統制強化
対応策:生産計画に応じた部品調達、生産工程全体の一元管理、製造部内連携体制の構築

・MMC
C社は、①各機械の専任作業員の多能工化が課題で、操作方法のOJTを進める。また、②操作方法や加工方法の社内統一化や情報整備が課題で、操作・加工方法の標準化・マニュアル化を行う。更に、③設計担当者の最終検査作業の軽減が課題で、専任の最終製品検査班の設置、等生産管理の効率化を図る。

→生産統制

課題:多能工化、標準作業化、検査の標準化

 

SLA
課題は、全行程を統括する生産管理体制の構築である。対応策は、①機械加工班と製缶板金班の連携強化、②全行程の計画策定と余力・進捗の管理、CNC制御装置を含めた現品管理、③工程ごとの検査で生産上の問題点やノウハウを共有・蓄積し、CNC木工加工機の顧客が要望する品質を実現していくことである。

→生産統制

課題:各工程間の連携強化、工程進捗管理、ノウハウ蓄積