2017H29 事例壱 「菓子製造業」第3問 解答例まとめ

■菓子製造業

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 第3問(配点20点)

 A社が工業団地に移転し操業したことによって、どのような戦略メリットを生み出したと考えられるか。100字以内で答えよ。

■趣旨

事業活動拠点の移設に伴う事業展開上の戦略的メリットについて、分析する能力を問う問題である。
■AAS関西

戦略的メリットは、①ハサップに準拠する製造工程により、かつての商品に勝るとも劣らない品質や食感を生み出したこと、②販路拡大・生産力増強を進めるにあたり、誘致対象の地元企業との連携の機会を生み出したこと。
■AAS東京

メリットは、①手狭な工場を移転し日産50,000個体制に整備することで、売上の伸長に対応できたこと、②ハサップに準拠した新工場での操業により、かつての商品に勝るとも劣らない品質や食感を確保できたこと、である。
■AAS名古屋

戦略的メリットは、①新工場においてハサップに準拠するとともに銘菓といわれた商品の品質や食感を確保できた点、②焼菓子日産50,000個体制を整備し、全国市場に展開するための販売量の増加に対応できた点、である。
■LEC

地元中心の事業戦略において生産性と品質の競争優位を創出したと考えられる。工程を自動化したことで、生産量の増加に伴う規模の経済性が働くとともに、HACCPの取得を通じ、銘菓と知られた味わいを復活できた。
■大原

メリットは、全国市場進出を可能とする生産体制が構築できたことである。具体的には、①HACCP認証による衛生管理体制の整備、②商品の品質・食感の確保、③製造工程の大幅な変更による日産5万個の体制構築である。

■TAC

広い敷地に工場を構えることで、銘菓としての品質や食感を確保するために必要な機器の導入と、自動化による生産効率の高い生産体制の構築により、商品価値のさらなる向上と需要量の伸長への対応を実現できたこと。
■TBC

 ①行政からの誘致支援により広い工場用地を確保でき、量産体制を確立し生産コストが逓減した。②工業団地内企業との関係性が高まり、製造技術の高度化による商品改良や共同配送による物流の効率化が可能になった。
SLA

メリットは、①売上拡大に応じた生産力増強、②非正規社員の採用や勤務に有利なインフラ、③地域別出荷に適した立地、により現在の競争優位性確立、④さらに将来の売り上げ拡大に対応する事業基盤が形成できたことである。
■MMC

移転により、①HACCPに準拠した管理による安全確保、②かつての商品に劣らない食感の確保など商品の高品質化、③日産5万個の生産が可能な量産体制の構築で、全国市場に拡大可能な戦略的メリットを生み出した。