2018H30 2次解答例 L

LEC 解答例
2018H30
事例Ⅰ
業種:エレクトロニクスメーカー
■■第1問
理由は、センサー技術を軸とした差別化集中戦略を
志向したためである。規模の経済を活かしにくい半面、
コア技術を応用できる市場に絞り込み、研究開発力を
競争優位性と位置付けることで、大手との競争を回避している。

■■第2問
■設問(1)
理由は、主要取引先依存の受身な組織文化がある中、
技術者中心で最終消費者と接点がなく、
ニーズが得にくいためである。一方、正規社員中心の中、
事業拡大に伴う増員を抑えられ、経営リスクを回避しやすいためである。

■設問(2)
複写機関連製品事業は、販売時点で取引が完結する
売切り型ではなく、継続的に取引を行う点で違いがある。
よって、一度市場に受け入れられると安定した収益を
確保でき、得た資金を成長性が見込める事業に活用できる。

■第3問
目的は、製品開発のスピード向上に適した経営資源
再配分である。製品開発部に専門技術者を混成した
機能別組織に改編し、先進的な製品開発を促すとともに、
サポート業務を集約し、開発業務に技術者を集中させている。

■第4問
取り組むべき内容は、①役員以外から部門長を登用し、
事業目標の付与と権限委譲を行い、部門単位の評価および
管理者層の育成を行う、②新卒採用や他社との共同プロジェクトを進め、
絶えず新たな視点を製品開発に活用する。

■■
事例2
旅館

■第1問
顧客:8割のビジネス客は減少傾向、2割のインバウンド客と
観光客が増加傾向にある。競合:近隣に宿泊施設は無い。
距離の離れた駅前に2軒のビジネスホテルがある。自社:
老舗日本旅館で和の風情に満ちている。空港アクセスの良い
X市の中心地に立地し主要エリアは徒歩圏内にあるが、
拡大する観光需要を享受できていない。

■第2問
ターゲットは和の風情を求めるインバウンド客とする。
掲載情報は、①外国語対応が可能、②海外で名の知られた
芸術家の美術品が配置される雰囲気、③こだわりの器で
日本の朝を感じる献立、④名刹古刹に徒歩圏内の立地。

■第3問
SNS映えする館内の美術品について説明するほか、
近隣観光地の山車引きや和装、銭湯などの体験を案内し、
ネットへの投稿を促す。投稿されたSNS上でコメント等に
よる交流を継続的に図り、好意的なクチコミを喚起する。

■第4問
施策は、①夜の名刹やドラマ舞台の商業地区を送迎バスで
巡るツアーを実施する、②B社周辺の他業種と連携した
プロモーションを行い相互に誘客を図る、③街のにぎわい創出に
積極的に協力し夜の活気を取り込む、である。

■■
事例3
プラスチック成形加工業

■第1問
理由は、①金型製造から成型加工まで対応できる体制を
構築した、②加工技術力の強化を進めた、③工業団地での
リーダー的存在となり共同受注に取り組んできた、
ことである。

■第2問
問題点は、①作業者の待ち時間が長い、②段取り作業に
時間がかかって成型機の稼働率が低下している、
ことである。改善策は、①前段取りの一部を外段取り化
して作業者の待ち時間を減らす、②加工製品の切り替え時間
短縮により設備の稼働率を高める、ことである。

■第3問
問題点は、①生産効率優先のため製品在庫が過大である、
②週1回の生産計画のため納品数量の変動に対応しきれない、
ことである。改善策は、①段取り時間を短縮して
生産ロットサイズを最適化する、②週内で柔軟に計画変更が可能な
生産体制を構築することである。

■第4問
事前に整備しておくことは、①個々の金型に
識別番号を付与する、②金型と材料の保管場所を
定める、③5Sを徹底して現場の混乱を抑える、ことである。
そのうえで、生産管理のコンピュータ化を進め、
顧客企業ニーズに対応したジャストインタイム生産に
移行する。

■第5問
今後は、C社の技術力と生産体制に加え、工業団地の企業等が
保有する技術力や営業力を相互に生かし、製品開発と
顧客開拓を強化する。顧客企業のコスト低減に結び付く
製品開発によって競争力を高め、1社単独ではなく企業集団
として共存共栄を目指すべきである。