2017H29 事例壱 「菓子製造業」第4問 解答例まとめ

■菓子製造業

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第4問(配点20点)

 A社は、全国市場に拡大することでビジョンの達成を模索しているが、それを進めていく上で障害となるリスクの可能性について、中小企業診断士の立場で助言せよ。100字以内で答えよ。

■趣旨

地域ブランドとして優位性をもつ主力商品の全国市場への展開がもたらす問題を分析し、それに対して適切な助言をする能力を問う問題である。
■AAS関西

可能性は、①非正規社員の人員構成が高いため、職場環境の整備が遅れると多様な人材の確保が進まないこと、②自社店舗による直接販売は行っていないため、首都圏出店の夢を実現するための人材の育成が進まないこと。
■AAS東京

リスクは、①全国市場での競争に対応した販路拡大・生産力増強が必要となり、過剰投資による負債の増大を招く可能性、②正規社員が少ない体制であるため、新商品開発を行う人材の確保・育成が進まない可能性、である。
■AAS名古屋

リスクになる可能性は、①販路拡大や生産力増強のための過剰投資によって、負債が巨額になってしまう点、②直営店がないため顧客との接点がなく、新商品開発に必要な情報収集を行うことができない点、である。
■LEC

主力商品の認知度は限定的なため、市場開拓や商品開発に向けた、設備や人材の投資が必要となり、事業の成否による経営リスクが高まる。また、組織が拡大することで、環境変化に応じた迅速な意思決定が行いにくくなる。
■大原

①直営店がなく、市場ニーズを把握した上での商品開発経験がないため、全国市場で戦える新商品開発ができないリスク、②首都圏出店や販路拡大に必要な資金が調達できないリスクが障害となる可能性があると助言する。
■TAC

新商品開発と首都圏出店が要件となるが、競争力のある独自商品が開発できずにいたずらに商品アイテムが拡大すると、ブランドイメージの希釈化や過剰投資による資金不足に直面し、全国市場への展開の継続が困難になる。
■TBC

 正社員に余剰人員がなく、既存商品との生産シナジーが乏しい新商品の開発や、販売シナジーが乏しい自社店舗による販売を行う場合には、販路拡大や生産力増強のための設備や人材投資が必要になり事業リスクが高まる。
SLA

リスクとして、①主力商品への依存から脱却し新商品の品目を増やすことによるブランド価値の希釈化、②ブランド認知度の全国での低さから販路拡大、生産力増強の投資回収ができず事業が継続困難に陥る可能性がある。
■MMC

市場拡大を進める上では、①独自の商品開発が必要だが、主力商品への依存で開発力が不足、②首都圏出店が必要だが、店舗販売のノウハウが不足、③人材の確保・育成が必要だが、定年退職で人材が不足等のリスクがある。