固変分解計算と収益構造の評価・改善策の提案
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■AASGW合宿 事例Ⅳ
■第2問
■題意:固変分解の計算と収益構造の評価・改善策の提案(100字)
■ポイント
・聞かれているのは「評価と改善策」なので、評価は問題点を書くべき(良い点は書かなくてよい)
・「収益構造」の改善策なので、売上向上の観点と費用削減の観点で書きたい
■与件からの抽出
・全国ブランド商品は納入価格引き下げやリベート要求が厳しい
・また品切れペナルティーも高く、経営を圧迫
・健康ブーム向けの取扱商品は人気・収益性が高く、リベートも少ない
・取扱は全国ブランド食品が大半
■解答1
評価は変動比率が非常に高いため収益構造に
問題がある。改善策は、健康ブーム向けのこ
だわり商品の販売に注力することで、売上比
率の拡大を図る。X社と交渉を行い納入価格
やリベート要求の改善を図ることである。
・変動比率が高いと何故収益構造が問題なのか書くべき
・X社との条件改善をすることで何の指標が良くなるのか書くべき
■修正版
評価:変動比率が非常に高いため利益のだし
にくい収益構造である。改善策:健康ブーム
向けのこだわり商品の販売に注力すること、
X社と交渉を行い納入価格やリベート条件を
改善して、変動比率を低減を図ることである。
■AAS模範解答
D社は、変動比率が高く利益の出にくい収益
構造である。改善策としては、①利益率の高
い商品の取扱いを拡大し変動費を低減するこ
と、②X社との取引条件の見直しで売上高の
向上を目指し経営の安全性を図っていくこと
■1位得点者の4点の解答
D社の収益構造は、総費用のほとんどを変動
費が占めているため売上高の変動で利益変動
が少ないものの、安全余裕率は高くないと評
価できる。改善策は、健康ブームで需要があ
りリベートの少ない商品を増やすこと。
解答例:2017H29 事例参 第1問
2017H29 金属加工業
第1問
CNC木工加工機の生産販売を進めるために検討すべき生産管理上の課題とその対応策を140字以内で述べよ。
【趣旨】
新規事業であるCNC木工加工機の生産販売を進めるために必要な生産管理上の課題を把握し、解決する能力を問う問題である。
・TAC
専任担当制で作業者の連携経験が少ない中、今後は小物かつ大ロットが中心の機械加工班と、大型かつ多品種少量が中心の製缶板金班の連携が必要になるため、全体の計画立案および統制が課題となる。
対応策として、常務のIT技能を活用して生産管理のIT化を進め、生産指示を含めて一元管理する。
→生産管理のIT化による一元管理
課題:計画立案および生産統制
対応策:常務主導による生産管理のIT化を進めて一元管理する
・大原
生産管理上の課題は、品質と納期の安定化である。対策方法は、①CNC木工加工機の最終検査方法を確立し、複数の作業者がこの検査が実施できるように教育訓練を行うこと、②製造部において生産計画を立案し、生産統制を実施するとともに、外部調達先と連携して納期の管理を徹底することである。
→品質と納期の安定化
課題:品質と納期の安定化
対応策:最終検査方法の確立と生産統制
・AAS関西
生産管理上の課題は、最終製品を見込生産するための工程管理を構築すること。対応策は、①設計担当者が部品加工、組み立て、最終検査までの生産計画を作成して製造部に生産指示を行う、②製造部が生産計画に基づいた材料や部品調達などの現品管理、CNC制御装置を含めた組み立ての進度管理を行うこと。
→工程管理を構築
課題:見込生産体制構築のための工程管理
対応策:材料調達から検査・納品までの生産統制
・AAS東京
課題は、組織的な生産管理体制を構築することである。対応策は、①生産管理担当者を設け、内部部品加工、鋼板加工、本体塗装、CNC制御装置を含めた組み立て、の各工程を統合した生産計画を立て、②生産管理担当者が生産計画に基づく生産指示や進捗管理等の生産統制を行い、納期を管理すること、である。
→組織的な生産管理体制の構築
課題:組織的な生産管理体制の構築
対応策:各工程を統合した生産計画立案と生産統制
・AAS名古屋
課題は、最終製品製造のための生産体制の構築である。対応策は、①部品加工から最終検査まで製品製造に関する一貫した生産計画を策定し、工程管理責任者の設置により工程全体の進捗管理を行う事、②製造部内での作業者間の連携を深め適切な負荷配分を行うことで工程間負荷の平準化を図ること、である。
→一貫生産体制の構築
課題:最終製品の生産体制構築
対応策:一貫した生産計画の策定と進捗管理、負荷配分の平準化
・LEC
課題は、生産量増加に対応するため最終組立工程や納期を重視した生産体制構築と生産統制の強化である。対応策は、①生産計画及び販売計画に対応して必要部品を生産・調達する、②生産工程全体の作業進捗、設備・人員負荷、外注負荷等を一元的に管理する、③製造部内の連携体制を構築する、ことである。
→生産体制構築と生産統制強化
課題:生産体制構築と生産統制強化
対応策:生産計画に応じた部品調達、生産工程全体の一元管理、製造部内連携体制の構築
・MMC
C社は、①各機械の専任作業員の多能工化が課題で、操作方法のOJTを進める。また、②操作方法や加工方法の社内統一化や情報整備が課題で、操作・加工方法の標準化・マニュアル化を行う。更に、③設計担当者の最終検査作業の軽減が課題で、専任の最終製品検査班の設置、等生産管理の効率化を図る。
→生産統制
課題:多能工化、標準作業化、検査の標準化
・SLA
課題は、全行程を統括する生産管理体制の構築である。対応策は、①機械加工班と製缶板金班の連携強化、②全行程の計画策定と余力・進捗の管理、CNC制御装置を含めた現品管理、③工程ごとの検査で生産上の問題点やノウハウを共有・蓄積し、CNC木工加工機の顧客が要望する品質を実現していくことである。
→生産統制
課題:各工程間の連携強化、工程進捗管理、ノウハウ蓄積
診断士 2次 事例3 8年分 問題 2009-2017
診断士2次 2016H28 事例参 第2問 解答研究
H28年2016年
事例3
カット野菜
第2問
生産管理面での対応策(160文字)
■解答例
対応策は、①各製造グループで各々作成していた生産計画を全社
的に作成し、原材料調達業務、出荷業務を一括で行う。これによ
り原材料調達における単価の差異、出荷の輸送費用のロスを減ら
し、原価の上昇を抑えること②パート社員の製造グループ間の移
動を推進し多能工化を目指す。これにより残業等を減らし、労務
費の上昇を抑えること。
対応策は、3つの製品グループの生産計画と生産統制を一元化し
て行う事である。具体的には、①生産計画面で、原材料の調達を
同時に行い単価の差異を無くし、出荷を同時に行い輸送費用を低
減する。②生産統制面で、製造グループ間での作業員の移動を行
い、グループ毎の余力を平準化し、ノウハウを共有することによ
り加工ロスを低下させる。
対応策は製造グループ毎の生産管理を見直し原材料費・労務費等
コストを適正化する事。具体的には①管理項目を生産高から生産
効率に改め意識改革を図る事②原材料調達、出荷輸送をグループ
で一括で行う事③製造グループ間の作業員移動で、手待ち等ロス
を削減する事④加工ロスの原因をグループ間で共有し、防止策を
話し合い再発防止する事。
対応策は、顧客別のグループ編成から、全社的に一元管理を行う
体制に変更、管理項目を生産高から、コストを意識する限界利益
に変更して、収益改善を図ることである。具体的には①原材料を
適正価格で仕入し加工ロスの削減と歩留まりの向上を図る。②出
荷を共通化し輸送ロスを削減する。③作業員をグループ間で柔軟
に移動させ労務費を削減する。
対応策は、①原材料調達から出荷までの生産計画を製造グループ
ごとではなく工場全体で行い、同種類の原材料単価の標準単価の
設定や、加工・出荷工程のコストを管理する事で原材料費を低減
させる。②製造グループ間でジョブローテーションを行い、作業
員移動を可能とすることで、出荷稼働や製造負荷のバランシング
を行い、労務費を低減させる。
■与件から抜き出し
・各製造グループには責任者として正社員の製造リーダ1名が配置
・予想されていた以上の原材料費と労務費の上昇によって限界利益がマイナス
・X農業法人時代から同じ製造グループに勤めているパート社員が多く、
他の製造グループへの移動はない。
・カット野菜製造工程は、顧客別に編成・グループ化
・各製造グループは、生産高を日常の管理項目として管理
・顧客からの注文は、各製造グループに直接入り、各製造グループで各々生産計画を立て、
原材料調達から出荷まで行っている。
・同種類の原材料調達における単価の差異、加工ロスによる歩留まりの低下、
出荷のための輸送費用のロス、製造グループ間での作業員の移動の制限などがみられる。
■解答コア
製造グループの人員入れ替えを定期的に行いカット技術の意見交換・技術向上を図り、歩留まり改善
生産計画の立案を一括で行い工場全体で最適な人員配置を図り、出荷の輸送費用ロスを削減
原材料の調達を一括で行うように改め、原材料調達の単価差異解消
■解答作成
生産管理一元化①顧客別グループ編成を改めて生産管理を工場全
体で一元化し、管理項目を生産高から変動費に変更してコストを
意識させる②パート社員間の定期的な入替えを行ない現場改善を
促し歩留まりを向上させる。③注文に応じて人員配置を最適化し
て無駄な出荷輸送費用を削減④原材料調達を一括で効率よく行い
ムラのある単価差異を解消する。
(原材料費と労務費を低減し限界利益のプラス化を図る。)
CH-R購入作戦(2018年1月)
事例壱 出題分析
- 事例Ⅰの中心テーマ:「強み」
- 「強み」そのものは何か
- 「強み」の維持強化
事例における強みの描き方
- もともと持っていた(経営者が創業時からそれまでのキャリアで見に付けていた)
- 意図的に強化した
- 結果的に蓄積・形成された
※単独ではなく、これらが混在するケースが多い
※「強み」として明確な根拠に欠ける場合、「結果的に受注獲得できた」「売上拡大した」という事実を示すことで、なんらかの強みが形成されている、という根拠にする場合もある。
例)中小企業が外注を利用する場合の留意点
- 「強み」に悪影響がない業務であること
- 主体的に行うこと(外注業者任せにしない)